秩父の豊かな自然に包まれたプライベートリゾート「木叢(こむら)」。今回の滞在は、妻の誕生日祝いが目的でした。幸運にも「HIMIDORI-陽みどり-」の出張シェフプランを予約することができ、期待以上の特別な時間を過ごすことができました。
宿泊したのは、プライベートプールやサウナ、半露天風呂を備えたラグジュアリースイート。
夕食は、宿泊部屋とは別の同等ランクの部屋で、出張シェフによるライブキッチンを体験しました。
目の前で料理が仕上がっていくのは本当に特別で、ホテルレストランとは違う、静かで落ち着いた空間での食事は、始まる前から高揚感に包まれていました。
シェフは和食、都内のイタリアン、本場イタリア3都市で修業を重ねた方。地元・秩父の食材をふんだんに使いながら、和とイタリアンを自然に組み合わせたコース構成は、まさに唯一無二のスタイル。一皿一皿に、シェフの経験と感性がしっかりと表れていて、五感を通して料理の奥深さを楽しめました。
特に印象に残っているのは、舞茸と椎茸のリゾットを使ったアランチーニ。香ばしく揚げられた衣の中から、きのこの深い香りと旨味がふわっと広がり、さらに黒トリュフの芳醇な香りが加わって、思わず息を呑むほど。秩父産のお米のやさしい甘さと、滋味深い味わいが口いっぱいに広がりました。
メインの深谷牛のグリルも素晴らしく、ナイフを入れた瞬間の柔らかさに驚き、噛むたびに赤身と脂のバランスの良さを実感。深谷牛の骨からとったというソースも、肉の味をそっと引き立ててくれる絶妙な存在感でした。
デザートには、秩父いちご「あまりん」のティラミス。とろける果肉の甘さとマスカルポーネの軽やかな口当たりがぴったりで、食後にも重たくならず、すっと心に残るような優しい一皿でした。イタリアの小さな村のおばあちゃんのレシピがベースとのことで、その物語まで含めて、あたたかみのある余韻を楽しめました。
それぞれの料理に合わせて提供されたワインもまた素晴らしく、料理の味を引き立てながらも、飲みやすく、自然に寄り添うようなセレクト。マリアージュという言葉がしっくりくる、まさに至福の時間でした。
料理の量や提供のテンポもちょうどよく、終始ストレスなく楽しめたのも大きなポイントです。シェフの人柄や距離感もちょうどよく、料理だけでなく、全体の空気感まで含めて心地よいものでした。
「木叢」での滞在は、非日常を感じながらもどこかあたたかく、リラックスできる貴重な時間でした。今回のように大切な人との記念日やサプライズにもぴったりだと思いますし、また季節を変えて訪れてみたいと心から思える場所です。
妻の誕生日を最高の形で彩ってくれた「木叢」と、「HIMIDORI-陽みどり-」のシェフに心から感謝しています。日常を離れ、五感で楽しむディナー体験を求めている方には、ぜひおすすめしたい特別な場所です。